第4章 3対3
月島くんからもらった湿布薬を貼り、
上から長袖のジャージを羽織る
腕を隠しておかないと田中さんが気にしてしまうかもしれないから
体育館に戻ると月島くんと目が合った
左腕を少し上げてニコッとすると
盛大に舌打ちをして顔を逸らされてしまった
「おいおい月島くんよ、さりあさんとアイコンタクト取ってどういうつもりですかコラ」
「アイコンタクトなんて取ってないですケド」
「月島くんよ、言い訳するなんて男らしくねぇんじゃねーのか?」
田中さんの言葉に一瞬面倒くさそうな
表情を浮かべるも、すぐに満面の笑み
に変わる
「女性にケガをさせるのは男らしいんですか?」
「うぐっっっ!」
田中さんが胸を押さえて膝から崩れ落ちた
「そうだった...俺は...さりあさんに....」
「月島、あんま田中虐めんなって(笑)」
2人のやり取りを見ていた縁下さんが仲裁に入る
「今度僕にも女性にケガさせるスパイク教えてください」
「おい月島!」
最早田中さんは塵のようになってしまっている
いま田中さんに息を吹きかけたらきっとさらさらと飛んでいくだろう(笑)
そんな田中さんをニヤニヤ見ながら月島くんは練習に戻っていった