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アサガオの花

第4章 3対3




左腕は青紫色になっていた


『いたた・・・』


田中さんのスパイクを咄嗟に腕で受け止めたので変なところにあたってしまったらしい


『一瞬で腕の色が変わるほどの田中さんのスパイクの威力・・・。これは全国レベルかも?』


水で冷やしている左腕を見ながらポツリと独り言が零れた


「馬鹿なの?」

『?!』



ビクリと肩が上がる

声のする方に振り向くとそこには月島くんの姿があった


『つ、月島くん?!どうしてここに?!』

「僕が水飲みに来たらいけないワケ?」

『いや。どうぞ』


蛇口をキュッと捻って水を出すと
ゴクゴクと水を飲み始める


『あの...飲み物なら作ったやつが体育館に...』

「チッ」

『まさかの舌打ち?!』


私の言葉に返答しないまま月島くんは戻ってしまった


『ドリンク美味しくなかったのかな』


等と考えていると


「あのさ」

『ふぎゃぁあ!!』


後ろから突然声をかけられて思わず変な声が出た

振り返ると笑いを堪えている月島くんが立っていた



「なんて声出してるのさ」

『つ、月島くんが急に話しかけてきたからでしょう?!どうしたの?』

「これ」

『?』


彼が手に持っていたのは湿布薬


「冷やしとけば?少しは痛み治まるデショ」


この為にわざわざ来てくれたのか


『あ、ありがとう』


別に、とだけ言って中に戻ってしまった

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