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アサガオの花

第4章 3対3



『澤村さん、レシーブする際はもう少しだけ姿勢を低くした方が安定するかと思います。』

「おう!サンキュー!」


『月島くん、ブロックするときは相手スパイカーの利き腕の前だとドシャット率が高くなります』

「チッ」


「さりあさん!俺は俺は?!」

『田中さんはもう少しだけ落ち着いてください』

「うおーーーーーー!」

「田中うるさい!!」




春高を目指すと言っていた澤村さん
その為のお手伝いを私も全力でする

今の私に出来ることなんてこのくらいしかないのだから


そんなことをボーッと考えていたから
周りなんて見えていなかった

「さりあさん危ねぇ!!」


ドガッ


左腕に走った激痛

『ッ・・・!』


田中さんが打ったスパイクがダイレクトに私の左腕に当たった

田中さんが真っ青な顔でこちらに走ってくる


「さ、さりあさん...すまねぇ!!!腕、大丈夫ですか?!」

『気にしないでくださいっ、ボーッとしてた私が悪いんです!』

「俺はなんて事を!!!死んでお詫びを!!」

『大袈裟です!』

「とは言え田中のスパイクをもろにくらってただろ。腕、見してみ?」


菅原さんが左腕に手を伸ばす


『だ、大丈夫です!私のことなんか気にしないで練習続けてください!』


とっさに左腕をぶんぶんと回す


『ほら!この通り何でもないです!』

「でも・・・」


田中さんはバツが悪そうに左腕を見ている


『いつもの元気な田中さんのプレイが見たいです!』


言うやいなや田中さんの表情が明るくなる


「さりあさんが俺にプロポーズを!!!」

『ぅえ?!今のセリフのどこにプロポーズ要素ありました?!』

「うおーーーー!やってやるぜ!さりあさん、見ててくださいっ!!」


そう言うと田中さんは元気にコートへと戻って行った

田中うるさい、と言いながら菅原さんもコートへと戻って練習は再開した





『少し水道水で冷やしてこようかな』

みんなが練習を再開したのを確認して外の水道へ向かった
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