• テキストサイズ

アサガオの花

第2章 prolog




あれは確か小学生の頃。

近所の電気屋さんの店頭に置いてあっ
た大きなテレビ

そこに映っていたのは黒のユニフォー
ムを着て試合をしていた高校生

“10” という背番号を背負っていたその
人は身長は決して高くなかった

だけど誰よりも輝いていた



後で知ったその人の呼び名は

“小さな巨人”



小さな巨人に憧れて私もバレーを始めた。

センスも才能にも恵まれた。
私達の代で念願だった全国大会にも出場
出来た。

ベスト8という結果で終わったけど全員
が全てを出し切った試合だったから後悔
も悔いもない。


当然、色んな高校から推薦もきた。
青葉城西、白鳥沢。

自分という人間を必要としてくれる。
それだけで幸せなことだなって思っ
たし、どこへ進学しようか悩んだ。


だけど、私のバレー人生はあっとい
う間に幕を閉じた・・・


中学3年の冬、私は交通事故に巻き
込まれた。

一命こそ取り留めたものの、バレー
が出来るまでには回復しなかった。

勿論推薦の話しもなくなった。


当時はそれが信じられなくて荒れ
こそしたけど、それを乗り越えて
新しい “何か” を探そうと決めた。


だから私は烏野高校に進路を決めた。


小さな巨人がいた学校に興味があったから


何かを決めるときの理由なんてこの
くらいの好奇心で充分でしょ?








そして私は烏野高校の門を潜る ──────

/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp