第3章 始まり
2人の手を取ったは良いものの・・・
考えてみたらこの2人って体育館出禁
になったんだよな・・・
あれ?
そもそもなんで出禁になったのか私
理由知らないや
外でパスをしている2人を眺めていた
が、影山くんのスパイクを日向くんが
レシーブし損ねてボールが地面に落ち
たところで聞いてみた
『あのさ、日向くんと影山くんはどうして体育館出禁になったの?』
すると2人の肩がビクリと上がって、
こちらを見た日向くんの顔は何故か
真っ青になっていた
『え?何?私何か変なこと言っちゃった?!』
「せりあ···知らない方が身のためってこともある···」
『え、あ、うん?』
「とにかく!俺達は主将にチームワークの自覚を見せて一刻も早く体育館で練習がしたい!バレーがやりたいんだ~!」
「けどチームワークなんて一朝一夕で出来るもんじゃねぇだろ」
「そうだよな~···うぐぅぅっ」
あ、なんか2人の会話で出禁の理由
何となくだけど分かった気がする···
2人とも喧嘩っぱやいからきっと主将
の前で何かヤラカシたんだろうな
それでチームワークを理解するまで
体育館NGになった、的な感じかな
それにしてもチームワークなんて···
『あ』
1つ思い付いた。
だけどこれで澤村さんが納得してくれ
るかは分からないけど、この2人には
他にチームワークを意識させるような
ことって今のところ無理そうだしな…
顔をしかめて必死に考えている2人に
話しかけた
『あのさ、澤村さんと勝負してみるのは?』
「「勝負?」」
あ、またハモってる。
『うん。日向くん、影山くんチームと澤村さんチームで試合するの。それで、勝ったら体育館に入れてもらう!どう?』
「なるほど。コイツと一緒にプレイしてチームっぽく見せられることが出来れば」
「体育館に入れて貰える!!」
『現時点で2人にチームワークなんて、求めるだけムダだと思うの。だけどこれなら』
3人でコクリと頷く
「これなら行けるかも知れない。おい日向ぁ!部活が終わったら主将に言いに行くぞ!」
「おう!」
ガッツポーズをして2人はパス練を
再開しようと歩き出す
その2人の肩をグッと掴む
2人は首だけをこちらに向けた
『待って。それだけじゃ完璧じゃないわ。私に考えがあるの────···』