第16章 すなどけい
「潤・・」
俺が何も言えずに俯いていると
M 「ごめんね・・もうワガママ言わないから・・お願い・・俺が雅紀を好きでいることは許して?」
ゴシゴシと涙を拭いながら潤が笑顔を見せようとする。
抱き締めたいと思った。潤が愛しいと思った。
俺はこの数ヶ月、潤の何を見てきたんだろう。
俺は潤のこと・・本当はどう思ってたんだ。
今さら遅くないか
「潤・・これからも2人で会ってくれる?
俺は・・潤が好きだ」
目を真ん丸にして俺を見つめる潤。
M 「本当に?本当なの?雅紀・・」
ギュッと潤を抱き締めて
「今までゴメン・・。俺・・自分の気持ちに気が付いて無かった。こんなに潤のことが大切だったんだ・・潤・・好きだよ。俺のそばに居て下さい」
俺の肩が潤の涙で濡れていく。
もう悲しい涙は流させない。
もう離さないよ。
end