第5章 自由の身になりたい
私と羽矢斗が外に出るとさっきの仲良し兄妹がいた。仲良く手つないでる。
「いいなぁ。あんな風に自由に仲良くなりたいよ。」
「あの二人恋人なの?」
「ううん。兄妹。さっき『お兄ちゃん』って言ってたから。」
「えええっ!?兄妹なの!?いいな。確かに自由になりたいね。」
そんな風に話している時だった。その兄妹が話しかけてきた。
「あの、あなたたちも姉弟なんですか?」
「はい。この神社に住んでいます。」
「ええっ!じゃあお嬢様とお坊ちゃまじゃないですか!?」
「はい・・・」
「どうしたんですか?」
「いや、あなたたちみたく自由に仲良くなりたいなって。私と弟は父親が厳しくて恋人みたいに仲良くなれないんです。それに私は23歳までに結婚しなくてはいけないし・・・」
私が涙目になって話しているとその兄妹は顔を見合わせてこう言う。
「オレと妹も親に内緒で恋愛をしているんです。別に自由というわけでもありません。オレらもいつか結婚しなくてはいけないし・・・」
「お兄ちゃん!私と結婚するんじゃないの!?」
「ああ、ゴメンゴメン!」
やっぱ自由じゃん。羨まし。