第3章 出会い2
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「...はあ。」
知らず知らずの内に止めていた呼吸を再開する。
先程の男性からは随分離れてきた。
(...あの人、顔に大きな傷があったけど。あれ、何だろう。)
男性には、顔を斜めに横切る大きな傷があった。
(刀傷とか?...え?『刀』ってこの時代、よく使うものだっけ...?)
最近、刀を見すぎている気がする。
...最近、といっても、ほんの三十分程前なはずだが。
(...本当に、ここ、何処だろう。)
つい弱気になってくる。
すると、
(...?足音?また?今度は...、複数。)
後ろから聞こえる複数の足音に警戒する。
「...よう。兄ちゃん。夜中にこんな暗い所で何してんだ?」
「そうだな。何してんのか、俺たちにも教えてくれよ。」
「楽しいことなら、よ。」
(...一体何なんだろう、さっきから。...で、この人達は、『追い剥ぎ』みたいな感じ?)