第14章 お手伝いする管理人
コンコン
ある日の仕事終わり、今日は来客予定は無いはずだが、部屋の扉がノックされた。
「どなたー?」
私は玄関まで出向き、ドアの向こうに声をかける。
連絡も無しに押しかけてくるとかどうせ新とか恋とかでしょ…
そう思っていたら、ドアの向こうから聞こえてきたのは意外な声だった。
「こはね、連絡も無しにごめんね。夜です」
「えっ、夜??」
思わぬ来客に私はすぐにドアを開けて確かめる。
ドアを開けた先には、やっぱり夜がいた。
「夜が連絡無しに来るなんて珍しいね!とりあえず上がって上がって」
「ありがとう。おじゃまします」
私は夜を部屋に上げると、夜をソファに座るよう促す。
そして、冷蔵庫から緑茶の入ったペットボトルを取り出し2つのコップに注いで夜の元へ戻った。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。頂きます」
「んで、何かあったの?悩み事??」
「いや、悩み事って言うか、こはねにお願いがあって…」
「お願い?夜の頼みなら何でもきくよ!任せとけ!」
夜には美味しい手作りおかずもらったりしてるしね!
普段お世話になってる分私に出来ることなら何かしてあげたい。
夜は言いにくい事なのか、少しもごもごしていたが、しばらくして重たい口を開いた。
「…実は、Web限定で放送してるドラマの撮影が明日あって、台本の読み合わせを手伝って欲しくて来たんだ」
あまりにも言いにくそうにしていたから、えげつないお願いでもされるのかと思ったけど…
やっぱり夜に限ってそんなことは無かったので少しホッとする。