第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
二人で顔を真っ赤にして顔を見合わせる。
お互いの真っ赤な顔が面白かったのか、二人ともぶはっと吹き出してしまう。
「ウォーカーさんでも、顔真っ赤にしたり緊張することなんてあるんですね。」
「あ、ありますよ!特に恋愛とかこういうの、慣れてないですし…。あぁ…こういうとき師匠はそつなくこなすんだろうなぁ…。」
「師匠?ウォーカーさんに師匠、いたんですね。良いなぁ…。」
私には師匠という存在がいなかったので少し羨ましい。
私がウォーカーさんの師匠を羨ましがると、ウォーカーさんは黒いオーラを全身から醸し出した。
「えっ…。う、ウォーカーさん?」
「師匠が…羨ましいぃ…?借金まみれで大の女好きで、飲んだっくれのどうしようもない師匠が…羨ましいぃ…?」
「そ、そんな師匠だったんですか…。」
「はい…。すいません…もうこれ以上師匠の話をすると…。」
「ご、ごめんなさい。」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。」
とまた優しく笑ってくれる。
でも、ウォーカーさんの師匠かぁ…。
会ってみたい気もするなぁ…。
「あ、僕リナリーに電話してきますね。」
席を立つウォーカーさん。
「あ、はい!行ってらっしゃい!」
ばたん、と扉がしまった。
私はぎゅうううっと思いっきり頬をつねる。
「痛い痛い痛い!!」
自分でも強くつねりすぎた。
頬がじんじんする。
痛いってことは、やっぱり夢じゃないんだ…。
そう思うとじいん、と胸が熱くなる。