第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
「本当によかったです…。まさかダメ元で行った宿屋に泊めてもらえるなんて…。」
そう。あのあと僕らは運良く町に出れて、ダメ元で行った宿屋にも泊めてもらえたのだ。
「そうですね…。」
ニナも少し寝て元気になったものの、まだ気まずそうに僕と接する。
その切ない瞳にぎゅうっと胸を締め付けられ、たまらずニナを抱きしめてしまう。
「あの、ウォーカーさ…。」
「好きです。」
声も震えているし、緊張しているのがニナにバレバレだろうか。
でも、それでも。
「っ…え?」
「僕は、ニナが好きです。」
はっきりと、僕の想いを伝える。
「ウォーカーさんは、優しいですね。いいですよ…。気を使わなくて…。」
「違うんです。」
「…?」
「ごめんなさい。
ニナを僕の身勝手な理由で傷つけてしまって
ごめんなさい。
本当はニナに告白されたとき僕もニナが好きでした。
でも初任務のあの日。
ニナに熱があるのにも気付かず、後ろから僕を襲おうとするAKUMAにも気が付かず、ニナに戦わせてしまった。
それは僕が弱いからだと思い、大好きなニナを守れない傷つけてしまうくらいならニナと付き合うのはやめよう、と思いました。
でもリナリーに言われて気づいたんです。
一番大事なことは自分達の気持ちだ、って。
だから……。」
僕はニナを腕の中から離し、真っ直ぐにニナを見つめて言った。
その澄みきった深海の色の瞳に、吸い込まれそうになる。
「好きです。
僕の、恋人になってくれませんか?」