第7章 初任務-ただいまとおかえり。そして。-
「ニナは一体どこまで行ったんだろう…。こんな森の中…。いるわけないよなぁ…。」
森の中でさ迷うこと小一時間。
だんだん日が落ちてきたし、早く見つけてあげないと…。
その為にはこの森を抜けないことには始まらない。
でも…方向音痴なこの僕にこの森を抜けるなんてことは出来るのだろうか…。
とりあえず進むしかない、か…。
どこかでAKUMAに襲われてないといいけど…。
「…!?」
僕の左目が反応する。
この近くにAKUMAが…。しかも二体。
くっそ…。早くこの森を抜けなくちゃいけないのに…。
でもエクソシストとしてAKUMAを見逃すわけにはいけない。
AKUMAがいる方へダッシュする。
どこだ…?
だんだん近くなっているのは分かるけど一向に姿が見えない。
「おっかしなぁ…。確かこの辺にいるはずなのに…。」
辺りを見渡しても何もない。
「僕の勘違い?いや、僕の左目が間違うはずが…。ん?」
地面にキラリと光るものを見つける。
「これは…?」
ボタンのようなものを拾った。
あ、これって僕らの団服のボタン。
何でこんなところに…。
あ、確かこれって裏に名前書いてあったはず…。
ボタンを裏返す。
ニナ・チェンマイ
これ…って…。
ニナ…?
まさか!?
ばっと空を見上げると同時にドスン!!と鈍い音がする。
「え…。」
目を疑う。
落ちてきたのは傷を負いボロボロになったニナ。
と同時に
「とどめをさすに、決まってんだろ!!」
聞こえるAKUMAの声。
降り下ろされる大量の日本刀。
そんなことは、させない…!!!
無意識にイノセンスを発動させていて、無意識にAKUMAに大砲を撃つ。
「うああああああ!!」