第4章 疑惑
やはり【王の剣】、アデル大将軍の
槍は凄まじかった。
私の一撃一撃をいとも簡単に
避け、その反動で槍を振るう。
息を上げもしない大将軍。
額に汗が浮いているだけだ。
「儂に挑むのが間違いなんだよ」
「うるさい!」
その【王の剣】に仕込まれてきた
私の技もなかなかだったらしく、
大将軍の頬に一筋の紅い線を入れた。
「それだけで満足か?」
対して私は、転ばされ打たれで
既に満身創痍だ。
あと一本、二本でも打たれたら
気絶してもおかしくないほど。
遠くに飛んでいきそうな意識を、
かろうじて繋ぎ止めている。
「王は…私だ」
「ほざけ!」
大将軍の槍の穂先が閃き、
石突が私の首を横から叩いた。
その瞬間、全てが弾けた。