第4章 *the third world
全員に正座をさせたチョロ松は、それこそ鬼のような形相でみんなを睨んでいた。
…ちなみに、まだ外だ。
すると長兄が口を開く。
「…いやー、なんか昨日のチョロ松の様子がおかしかったからさ、みんなに聞いてたら」
「今日デートだからそわそわしてただけじゃないかってみんなで話してたんだけど、最後にカラ松兄さんが爆弾発言をして…」
末弟が言葉を受け取り、そして、次男にバトンを渡す。
「お、俺か? 俺はプロポーズするつもりなのでは、と言っただけ…だ……何でみんなでこっちを見る?」
本当に怪訝そうな顔でその場の全員を見つめるカラ松に、とうとう私は吹き出してしまった。
「それで、みんなで見に来たってこと?よく場所がわかったね」
「だって、チョロ松が大事なことを凛に話すとしたらここだろ」
「そうなの?…あー、確かに、告白はここだったね」
私の隣で真っ赤になる人は放置すると、「だろ」と、おそ松くんはしたり顔でこちらを見てくる。
なるほどね…
「ま、帰ろうよ。はい、みんな立って!いい歳した男が正座って、すごいシュールだから。さ、みんなで帰ろ」
ぞろぞろと立ち上がり歩き出す彼らを横目に、まだ停止している彼の手を引く。
そして、耳元で囁くように言葉を出す。
「…最後まで、言う?」