第8章 1つ目
青学の人達が落ち着いて来た所で本題に入る事にした
『精市』
幸「なんだい?」
『ちょっと』
精市を呼んで、今回の事を話してみる
『多分青学は自分達の身に何が起こっているのかわかってないと思う。だから今回は立海を2つに分けたいんだ』
幸「説明側と解決側って事だね」
『うん、説明側には最低精市と蓮二が居てほしい。部長と参謀が話せば大体の事を把握しきれると思うから』
幸「そうだね。氷月は解決側に逃げるんだろ?」
『知ってて言うのはたちが悪いよ。後奈々も此処に居た方がいいね』
幸「じゃあ、真田と仁王と赤也でどうかな?」
『取引に聞こえるんだけど』
幸「赤也が居ると喧嘩騒動でも起こしそうだからね」
『まあ、そうだね。わかったそれでいいよ』
幸「本はどうするんだい?」
『いいよ、そっちが持っていてくれた方が説明も楽だろ?』
幸「そうだが」
『こっちは荒っぽい方法で解決してくるからいいよ』
幸「......」
精市の先程まであった笑みは消え真剣な表情でこちらを見てくる
幸「死ぬ気じゃ、ないよね?」
『継続者は君達のグループには含まれないから、死んでも君達に害はないよ』
幸「それで?」
『...死ぬ気は...ない、ないよ』
こちらも真剣な表情で返せば精市は心配な表情に変えた
幸「奈々は俺達以上に氷月の事を心配している。だからね?」
『わかった』
幸「うん、良い子だね」
精市が頭をポンポンと優しく撫でてくれる
幸「怪我もダメだからね、処置がめんどいからね」
笑顔で去って行く精市の背中をそのまま見つめる
『メンドイって...』
小さく呟けば隣で雅治が悪戯に笑っている
少しの時間が経てば向こうから弦一郎と赤也がやってきた
真「これだけでいいのか?」
『多く居ても邪魔になるし、身動きが取れないからね』
切「氷月先輩...」
赤也は先程の事は気に入らないのか
膨れているように見える
『私の変わりに怒ってくれてありがと。でも、大丈夫だよ』
小さい子をなだめるように言った
赤也の目は一瞬だけ見開き、こちらを覗いてくる
仁「ほんなら行くか」
『うん』
青学の突き刺さるほどの視線を逃げるかのように
保健室から家庭科室に向かって歩き出した