第4章 友達
今思うとあそこから始まったんだな...
「水島奈々!」
水島「!はいっ!」
「お前、授業聞いているか?」
水島「え、えーっと...」
「よし、これを解いてみろ」
数学の授業になんで考え事をしているんだ!
黒板に書いてある問題は氷月に言わせたら小学生問題だと言った
中学の復習問題
中でも苦手な
水島「グ、グラフ...」
直線のグラフが書いてあった
先生は黒板に書いてある式を図に示せと
なんて意地悪な先生なんだ!
私がグラフ問題を出来ないって知って...!
グラフ問題...
そうだ、この前氷月に教えて貰ったところだ
y=ax+b
〈奈々の計算力は悪くないよ。ただ公式の意味を理解していないだけだよ〉
〈何よ!皮肉?!〉
〈いや、むしろ褒めているんだけど〉
出されている公式の意味がわからずそれが何で使われるか知っている時に使えるのは
xに0から全て代入して計算するだけ!
±2まで求めて座標に点を打っていけばいい!
これが氷月に教えて貰った
私の計算スタイル!
「お、お前。グラフ問題が出来たのか」
水島「えっへんっ!」
先生が教卓の前で驚いている内に私は自分の席へ帰る
〈すごじゃん〉
水島「え...」
氷月の席には誰もいないのに
何故か微笑んでいる氷月の表情が出迎えた
左手で頬杖をついて右手でシャーペンを器用に回して
いつも黒板から帰って来ると一番最初に褒めてくれる氷月
だけど、今は...いない
私が突き放してしまったから、裏切ってしまったから
私は席について窓を見る
最近はこの窓から氷月の様子を伺っていた
どうやって接すればいいのかわからなくて
元々抱き着かれるのが好きじゃない氷月に飛びついたのは私だ
なのにあの時は怒ってしまった
あの時の氷月の表情は苦しそうだった
私が悪い事をしたのに
謝らなきゃ
絶対に謝らないといけない
今日は学校には来ている
さっき教室を出て行ったから屋上にいるはずだ
4時間目が終わった昼休憩に絶対に探し出してやる
待ってて氷月
私とまた1からやり直して!