第4章 友達
水島「あの、また失礼な事を?」
『いや、顔に書いてあったから』
水島「!!」
思わず両手で自分の顔を塞いでしまう
きゃー!見ないでっー!!
『君って見てて飽きないね』
水島「ムッ!それってどう言う意味!」
『やっと本性が出た』
水島「ああっーー!!」
『フフフ』
思わず立ちあがって相手の顔を確認すれば微笑んでいた
その微笑みは入院している時の精市に似ていた
儚く、脆い、寂しそうな笑みだった
白川さんは自分の隣をポンポンと叩いて座るようにジェスチャーを送った
私はそれに従って隣に座りなおす
水島「あの」
『何?』
水島「先日は助けて頂いてありがとうございました」
『私は何にもしてないよ。自分の嫌いな事を目の前で繰り広げられていただけだからね。ちょっかいを出したくなっただけさ』
私を怖がらせないようになのか、微笑んで言った
水島「それでも相談室に行けって...」
『ついでだよ。ついで』
少しイラッっときたがこれくらいなら問題ない
『ほんと見てて飽きないね』
水島「テニス部の皆も言うけど、なんで?」
白川さんは少しだけ驚いた表情をすれば
先ほどよりも微笑んだ
『だって君、表情に出やすいんだよ。自分でわかってないくらいにね。しかも感情に任せて表情もコロコロ変わりやすいしね』
水島「ぎゃー!!」
今絶対!顔面真っ赤になっているーー!!!!
『フフフ』
顔を下に向けらがらもなんだか笑いを堪えているように見える
『この目に映っているのはボヤケた世界だよ。目が悪いんだ』
水島「え?」
『君の質問には答えたから帰るね』
水島「待ってっ!」
私は思わずパーカーを掴んでいた
真夏みたいに暑いその日に真っ白なパーカーを着こなす
その袖の部分を掴んでいた
水島「あの、友達になってください!」
『え?』
水島「友達が欲しくて、どうしても...」
『うーん、私がファンクラブの差し金かもしれないよ?』
?「それはないかな?」
水島「え?」
『?』
屋上の扉の前から蒼色のフェーブ掛った人物が1人こちらに近づいてくる
水島「精市...」