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第20章 残留思念


白川側

看護師に殺されかけてから1週間が過ぎた

この病室に来る私の知り合いは

部活の大会が近いからと

朝早くから夕方まで一生懸命活動しているそうだ

この前まで朝から来てくれた仁王君もそれに行っている

私の知り合いはテニスの強豪校のレギュラー陣であると聞いた

水島さんはその人達をサポートするマネージャーと言うものをやっているそうだ

「ちゃんと寝ていますか?」

『はい』

あの事件(?)からずっと眠れない

寝ようとすると何処からか声が聞こえ

その声に耳を傾けていると

気づけば朝日が昇っているのだ

それは低い女性の声であり

ハッキリと誰かに向かって言葉を放っている

執念がかなりこもった声で「殺す」と呟いている

怪我の具合は良くなり、再び傷口が閉じて来た

検診で病室を出ると

冷房の入った自分の病室よりも寒く感じてしまう

属に言うこれは「霊現象」なのかと思ったが

見た事もなければ、不思議と恐怖はなかった

『はぁ...』

夕日に変わった時間帯

この時間に彼らが私の病室を訪ねてくる

誰を「殺す」のか気になって気を張っている毎日である

自分の可能性は大いにある

あの時の事件が物語っているから

でも、まだ死にたくないのでなんか合った時のために

寝ている間に幽霊になりました

なんてのは嫌だから夜が段々眠れなくなってしまうのだ

しまいには今日初めて看護師から「寝ているか」と聞かれる始末であった

看護師がガーゼを取り換えて病室を出る

その時、一瞬扉が開くだけで痛い程の視線と極寒のような寒気がする

出来ればその扉を開けて欲しくないと2日前から思ってしまう

扉が閉じられると嫌な汗が背中を伝う事もある

心臓も煩くなり響き

酷い時にはしばらく意識を手放してしまう

なんでも相談してくれ、と言った仁王君達

それに頼って良いのかわからなく、1週間も経ってしまった

急に扉がノックされると体の全神経を張り巡らせ気を張る

ゆっくりと扉を向く

『はい』

入ってきたのはいつもの人達であった

そして、その後ろに

女性が1人、私をしっかりと見ており口元を歪ませた

今まではこんなのも見た事がなかったのに

仁「氷月?」

『あ』

仁王君に名前を呼ばれて視線を移すと

先程の女性はいなくなっていた
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