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ゲームはお好き?

第3章 信用


白川側

比呂士にバレてから2ヶ月が過ぎた

大学に行くための最終成績がつけられるであろう

1学期末テスト

の、3日前の事

雅治を待っていたテニス部室内の事だった

テスト期間に入っても課題が終わらず

課題と睨めっこしている奈々が突然電話をよこしたのだ

終わらないから教えてほしい、大学行きたいっ!

との事

部室内でマネージャー業をこなしながら器用に問題を解いていく

ドリンクは私が作り、奈々がそれを運ぶだけ

10分後に私が取りに行くと言う作業

雅治から痛い視線を、比呂士から心配の視線を貰いながら

『ここの公式を使えば簡単に解けるよ』

水島「う~ん...」

数学が大の苦手分野

そもそも公式を暗記すれば、後数学で残されているのは

数字の当てはめと単純な計算のみだ

奈々曰く、どの公式を使用すればいいのか不明

それを聞いた時、私は少なからず馬鹿ではないんだと知った

今年のトリビアかもしれない

『早くしないと、皆が戻ってくるよ』

水島「優等生め...」

奈々からの鋭い視線が突き刺す中

私は自前の本で読書を再開する

私は優等生ではない、本当の優等生は蓮二だと思っている

あれはもう超人に近い知識量を誇っている

個人の基礎プロフィールから雑学まで

幅が広すぎてわからない

聞いていないようで校内の噂もしっかりと聞いて把握している

時々、人間なのか疑ってしまう部分が多く存在する

そう思うと雅治も頭が良い

あれだけ授業を聞いていないのによくわかるものだ

テニス部だけでトップ10が埋まる事も少なくない

読んでいる本とは裏腹に全く違う事を考えている

『...』

左目が霞む、心臓の鐘が早まる、右目が痛む

水島「どうかした?」

私の異変に気付いたのか、奈々が心配な表情でこちらを覗く

『何でもないよ。それよりも余裕だね』

水島「うぐ...」

『こっちを見ているなんてね』

水島「氷月、最近精市に似てきたよね。その笑顔で真っ黒な言葉を投げてくる所とか」

?「そう思ってたんだね」

水島「ひぃっ!」

扉は開いており精市を先頭にレギュラー陣が入ってくる

読んでいた本を閉じて鞄にしまう
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