第5章 私は幼馴染みとキスをしました
切原「遅いっすよー!早くメシ、食いましょうよー」
扉を開くとそんな声が聞こえた
壁にかかった時計を見るとそろそろ12時近い時間
1時から午後練なので二人とも慌てて席へつく
用意されている食事はまだ湯気がたっていた
真田「遅れてすまなかった。それでは頂こう」
その言葉でみんな各々食べ出す
私の左隣は赤也、右隣は海堂
と、かなり気まずい配置をされてしまっている
目の前に座っている日吉がこちらに話しかけてくれて、本当に良かったと思う
日吉「おい、吉野」
「ん?何?」
食事を進めながら返事をする
日吉「今日のダブルスいきなりなんて組めないだろ。練習付き合えよ」
訳:今日のダブルスの為に練習のペア一緒に組まないか?
ツンデレの知り合いが多いため勝手に脳内で変換してくれる
「ああ、いいよ。日吉の動きも見たいし」
吹き出しそうなのを必死で堪えながら返事をする
忍足「ものごっつぅ意訳されてへん?脳内で」
やめてほしい。吹き出してしまう
「してますね。だいぶ……ぷっ」
あ、ダメだったわ
日吉「………」
若干不貞腐れた様な日吉の顔に謝罪の言葉をかける
「ごめんごめん、ツン慣れしてるからさ」
チラリと右隣の彼を見ながらそう言うと目が合った
海堂「………」
ん?無反応?
考え込んでいるのか、聞いていないのか
そんな様子を見て、忍足さんが笑い出した
忍足「耐久つきすぎやろ」
そんな会話をしつつ、食事を終わらせると
荷物を取りに一度部屋へ戻った
テニスバッグをとり部屋を出ると携帯が震える
LINE…?
メッセージを確認すると赤也からだった
“今日の夜九時に屋上に来て欲しい。話がしたい”
ばっと顔を上げると通り過ぎていく赤也
その横目はまるで懇願しているようで
私は“わかった”と返事をすると階段を降り、練習へと向かった