第6章 5人目♥体育 アランセンセー
「お前、学校戻んだろ?」
手に提げたビニール袋を見ながらセンセーは続ける。
「用が済んだら私服に着替えて俺んち来い。」
「へ?」
(俺んち?)
何とも大胆なお誘いに驚く。
「へ?じゃねぇよ。もう心の準備は出来てんだろ?」
(今まで気付かなかっただけで、この学校オカシー!!)
心の叫びはひた隠し、精一杯笑ってみせる。
「ほら、これ俺んちの住所な。誰にも見つかんなよ。」
小さな紙切れを渡すと、アランセンセーは長い脚でスタスタ行ってしまった。
(………なんて用意周到なんだ)
あたしは一旦学校へ戻ると、急いで家に帰った。
服を着替えて、書いてある住所を頼りにセンセーの家を目指す。
(…ここ…だよね?)
玄関のチャイムを押すと、確認もせず直ぐに扉が開いた。
(鍵…開けた音しなかったんだけど…鍵くらい閉めようよ…)
「おっ…早かったな。入れよ。」
と笑顔のセンセーに、(ちゃんと確認して下さい)とは言えなかった。
促されたソファーに腰をかけると、直ぐに“ココア”が用意された。
マシュマロが2つ浮いていて、思わずあたしはセンセーに視線を向ける。
(あんたは…女子か!!)
「ん?何?…甘いの嫌いか?」