第6章 5人目♥体育 アランセンセー
危うくココアを落としかける。
「…で…ですよねぇ?ははは…」
と笑ったあたしに、
「笑ってる場合じゃねえっての。で…どうする?単位欲しいなら…グランド100週か…」
そして更に耳元に唇を近付けて、
「俺に抱かれるか…どっち?」
と囁いた。
(やぱ…そーですよね?ホントここのセンセーって…)
あたしは一度深く呼吸をすると、
「勿論…アランセンセーに抱いて貰います。」
とキッパリと答えた。
「お前…少しは悩めよ。」
と呆れながらも、センセーはまんざらでもなさそうに微笑んでいた。
でも、アランセンセーの笑った顔って初めて見たかも。
体育の授業でもいつも仏頂面だし。
近寄りがたい雰囲気ではある。
(でも、笑うと結構かわ…)
次の瞬間、
大きな手にひょいとココアを取り上げられた。
「あ」
間接キス!?とか思った間もなく、
アランセンセーは飲み干したをココアをゴミ箱に爽やかに捨てた。
「ひどいよセンセー!まだ、全然飲んでなかったのに」
「ならココアくらい作ってやるよ」
「え?」
ぽかんとしてると、アランセンセーは唇の端を意味ありげに釣り上げた。