第9章 不安の隙間 R15
銀ちゃんside
「おやすみ」
と言って名前とは逆方向へ向いて転がる
名前を本当に戦争へ連れて行っていいのか。名前の先生に対する気持ちは痛い位分かる。自分だって同じだ。
絶対に護ってやるつもりだが、100%生きていられる保証はない。生きていたとしても大怪我を負ってしまったら?だとしたら一生自分を責めるであろう。
かと言って置いて行くのも安全ではない。現に名前の故郷は天人に襲撃されたのだ。1人で生きていくことは大変だ。身にしみて分かる。
どうすれば正しいのか分からず考え込んでいると
後ろからくぐもった声ですすり泣く声が聞こえる
我慢しているのかとても小さく
振り返ると名前は反対側を向き
肩を震わせていた
(こいつ…こんなに小さかったか?)
こんな小さな身体で、戦争に参加すると言い、色んなものを背負い込もうとする背中はとても小さく思えた
銀時はたまらず名前の身体を引き寄せた