• テキストサイズ


第8章 憲兵


するとリヴァイはエミの唇にキスをした。

「愛してる」

「私も愛しています」

2人が愛の言葉を言いあう間エルヴィンやハンジを筆頭に兵士達も何も喋らなかった。

リヴァイがエミと付き合っていると初めて知った兵士達は唖然としている。

「そろそろ行くよ」

そうエルヴィンに言われてエミは馬車に乗った。

馬車の窓からリヴァイを見ると悲しそうな表情でエミを見つめていた。

「兵長...」

そう呟くと馬車はゆっくりと動き出した。

「エミとこんな形で離れるとはね...」

その言葉にリヴァイは何も言わずに自室に戻る。

馬車の中ではエミは泣いていた。

リヴァイと会えなくなると考えると涙が止まらない。

「リヴァイと離れるのが辛いかい?」

「...はい」

そう短く答えるとエルヴィンは優しく話しかけてくる。

「リヴァイのあんな姿は初めて見たよ。
本当に君の事が好きなんだね。
だがこれが君が出した答えなんだろう?」

確かにリヴァイはエルヴィンの前でしかあまり感情を出さない。

あの姿を兵士達の前で見せるのは、きっと最初で最後だろう。

一緒になりたいと思って結婚を決めるとこのザマだ。

エルヴィンと別れると憲兵団に所属する事になる。

「エミ、1つお願いがある」

その言葉でエルヴィンを見ると難しい顔をしていた。

「中央に行くと師団長のナイルでさえ君の動向を把握する事は殆ど出来ない。
そこで君にお願いがある」

「その願いとは一体...?」

エルヴィンは少しだけ微笑み、そして告げた。

「ナイルに君から接触して欲しい」

「師団長にですか?」

きょとんとしているエミとは別にエルヴィンは真面目な顔をしている。

「君は王に謁見した際に側近にされるか即処刑にされるか、きっとどちらかになるだろう。
側近になれば王から離れるのは寝る時以外無い。
だから、ちょっと王の事を調べて欲しい」

「王の事をですか...?」

「そうだ。
知った情報はナイルに報告してくれ」

エルヴィンの言葉は相変わらず訳の分からない事だが、とりあえずエルヴィンの指示に従う事にした。

きっと自分自身に関係がある事だろう。

「分かりました」
/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp