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第16章 幸せ


「さすがに生理が来ない事を分かっていなかった事には驚いたがな」

ため息をつきながら言うリヴァイを見てエミは気まずくなった。

「あの…」

エミは先程リヴァイが言っていた家の事が気になった。

「リヴァイが用意して下さった家は何処にあるんですか?」

「この兵舎から1番近い」

「えっ…」

リヴァイの言葉に驚きながら目を丸くして彼を見た。

「兵舎から近い方が早く帰れてお前と過ごす時間が長くなるだろ」

そう微笑みながら言う彼を見て、また涙が溢れてくる。

「妊娠を知るまでは正直何故ずっと一緒に居るのかと思っていたのですが、そういう事だったんですね」

「当たり前だ。
さすがの俺でもそのぐらいは気付く」

そう言いながらリヴァイはエミを優しく抱き締めた。

「俺はこう見えても子供が好きだ。
特に俺とお前の子供を見たら、クソメガネの様に発狂するかもしれん」

「…それは無いです」

エミが否定するとデコピンをされた。

「とにかく安定期に入っていたとは驚いたが…
お前の体は大切にしなきゃならねぇ。
明後日の引っ越しまでゆっくりしていろ」

「でもまだ書かなければならない書類が…」

「書類は無理をしない程度にしたので構わない。
演習はお預けだ」

「書類より演習の方が好きです」

「そんな体で前みたいに木から落下してみろ。
どうなるか分かってるだろ」

「木を全部切り倒します?」

冗談交じりで言うとリヴァイは笑った。

「もしかしたらそうするかもな」

「木が無くなったら立体機動は無理ですね」

「その時は馬鹿デカいエルヴィンとハンジとミケを木の代わりにする」

「それ…ただリヴァイが小さ…」

エミが言う事が分かったのかリヴァイに頭を軽く叩かれた。

「それ以上言うな」

「確か私と身長一緒でしたっけ?」

「俺の方が1センチ高い」

「…あまり変わらないじゃないですか」

するとまたデコピンをされた。

「この1センチは距離は短いが意味はデカい」

「何ですか…それは…」

リヴァイの言いたい事は分かっていたのであえてそう言ったら彼も分かったらしい。

「とりあえず私服に着替えろ。
兵服のままだとキツイだろ」

「そうですね」

エミは兵服を脱いで私服に着替えると、兵服を綺麗に畳んだ。
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