第3章 帰りたい場所と描く未来
リンが生まれ育ったまちでは、祭がたくさん行われる。
漁が解禁される春には、海上安全を願った神社の祀りを
秋には大漁を祝い、それを神に感謝する祀りを。。。
この二つは安土桃山時代から行われていた祀りごと。
そしてお盆の時期に行う祭は、
戦後できた祭で、
とにかくまちの皆はお祭り好きなのか、
仏様が帰ってくる時期に合わせて
祭をやろう、となって作られた祭だ。
戦後で貧しかった日本だが、周囲で協力しあい、笑顔のまちを作ろうと、まちの住民は奮闘した。
住民が幸せであるように、と祈りを込めた巫女舞など、神社の行事や住民に幸せをとどけるために、出店を出し、またイベントをたくさん行う祭を住民自らがつくった。
この夏のイベントは、観光資源にもなっていて、最近まちの経済も少しばかり上向きになっている。
それにより住民はこれまで以上に祭に力をいれるようになっていた。
力を入れるのは大人たちばかりではなかった。