第3章 帰りたい場所と描く未来
まちを一望できる山肌にたつ家までの
石段を勢いよくかけあがる。。。
息はあがるが、それ以上に胸のワクワクのほうが
強くて、苦しいとは思わない。
『ただいま〜!』
急いで二階の部屋へとかけあがり学校の荷物を置いて
必要な荷物を肩に背負う。
そして再び出かけようとすると後ろから呼びとめられた。
『待ちなさいリン!今日は終業式でしょ?学校の成績表は!?!』
母親だ。
神社でもあるうちでは
母親は普段は神社で巫女の仕事をしているが、
今日はその仕事を休んで、リビングで地域のお母さんたちと、とある話し合いをしていた。
『あ〜っ!分かったちょっとまって!』
再び部屋へと戻り成績表をカバンから取り出す。
階段を降りるときまた母親がまた話しかけてくる。
『今日はあれの練習あるんでしょ?!それかかえてどこ行くの?!』
母親のいう“あれ”とは…
『巫女の練習にすぐいくよ。夏休みに入るから今日から本格練習に入るしね。』
『じゃあそれは?!』
『巫女の練習終わったら、お兄ちゃんと合流して隣町の音響施設でバンドの練習してくるね。7時までには帰ってくる。…はい、成績表』
説明を終えると成績表を母親にわたし、玄関へと急ぐ。
『夜は神社の祭りの準備もあるのよ?!わかってるの?』
『分かってるって!…じゃあいってきますね!』
ギターをカタカタ揺らしながら、リンは外へと飛び出した。