第1章 ~PROLOGUE~
土方side
やっべーな…
昼時には、帰るって言ってたのに、もう真夜中だ。
俺の隣を歩くのは、山南さん。
山南さんは、呉服屋の所で、浪士に左腕を斬られいた。
傷は、少し深いが命に別じょうは無いらしい。
しかし、もしかしたら、もう刀は握れねぇかもしれない。
山南さんは、この旅路中ろくに食事をしていない。
…俺が着いていたのに。とどく範囲にいたのに。俺は、山南さんに怪我を負わせてしまった。
…くそっ
あぁ。そう言えば、雅紀は、もう寝ただろうか。
一番に、出迎えるからって大阪に行く前に、帰る時間をしつこく聞かれた
雅紀「門の前で待って、るから…」
そう言った、雅紀の顔が脳裏に浮かぶ。
怒ってはいないだろうが、あいつの事だ。
また、変に心配しているだろう。
でも、さすがに、もう待っていないだろう。
屯所が、見えてくると、なぜか、自然と目が門の所へ行く。
誰も居ないことに、残念がっている俺が少なからずそこにいた。
屯所へつくと、山南さんは真っ直ぐ、自室に戻って行った。
俺も、自室で隊服を脱ぐと隣の部屋へと、足を動かした。
そこには、寝息を立てて寝ている、雅紀の姿があった。
雅紀「~っ、ん~、土方…さっ」
っと、寝言を言って布団の中でもぞもぞしている。
土方「…ったく。勝手に、人の夢を見やがって一体、何の夢を見てやがんだ。」
俺は、そのまま静かに襖を閉めて、自室へと戻った。 いや。戻ろうとしたら、後ろから声が、かかった。
山崎「副長。お疲れ様でした。」
土方「ああ。 山崎か、」
山崎「…総長は」
土方「詳しい話は、明日改めてする。 …それと、総司。いい加減、でて来やがれ」
っと、俺は曲がり角を見る。
すると、なんだ、バレてたんですか。っと、笑いながら出てきた。
土方「ったく。なんか、ようか?」
沖田「なんか、感じませんか?」
土方「あ? 何いってやがんだ。」
そう言うと、総司はなにやら、ぶつぶつ言って考えているようだ。
…感じるって、何のことだ??
土方「おい、そう…」
沖田「いえ。やっぱりなんでもありません。…それじゃ、土方さん。山崎君。」
総司はそう言うと、手をひらひら振って、自室の方へと戻っていった。
……一体なんだったんだ?