第1章 ~PROLOGUE~
…たまに、見る笑顔
最初、見たときは、凄く吸い込まれそうなほど、綺麗で驚いた
もっと知りたい
僕は、この人の事をもっと知りたいっと、思った
ここに、来て初めての事ばかりで、戸惑う事もあるけど、どこか、楽しんでいる自分もいた
明日は、土方さんや山南さんが帰って来る日
今日は、何時もの用に幹部の皆と、夕餉を食べていた
永倉「今日も相変わらずせこい夕餉だなぁ…
……って事で隣に突撃だー!!」
藤堂「ちょ、新八っつあん!なんで、毎回、俺のばっかを狙うかなー」
永倉「はははっ!大きい奴はそれなりに、食う量が必要なんだよ」
藤堂「じゃあ、育ち盛りの俺は、もっと食わないとね」
っと、いつも飽きずにやっている。
雅紀 ーピクッ
沖田「……っ」
原田「どうした?雅紀」
雅紀「……」
原田「…?」
斎藤「雅紀、どうかしたのか?」
千鶴「雅紀?」
一瞬
ほんの、一瞬だったけど誰かに見られていた気配があった
丞君とかなら、いつも感じているから、あまり気にはしないけど、いまのは、今まで感じたことのない気配だった
僕が、反応したと同時に総司も一瞬だけ反応していたから気のせいではない
雅紀「…っああ。ごめん。 少し疲れたみたい」
千鶴「え!? 大丈夫?」
雅紀「うん。」
笑って見せると、千鶴おねぇちゃんは安心したのか、またご飯を食べ始めた。
今のは、何だったんだ。
あんなに、完璧に気を隠せるのは、たやすい事じゃない。
あの、一君ですら気づいていない。
多分、気づいたのは、僕と総司の二人だけだろう。
相手も僕達が気づいた事を読みとってもう近くには居ないと思う。
……が、一応、見とこうかな
雅紀「千鶴おねぇちゃん。 やっぱり、気分が悪いから、部屋で休んでる」
千鶴「え? 本当に、大丈夫?」
雅紀「うん。」
沖田「心配だから、僕も付いて行くよ」
そう言って、僕達は広間を出た。
沖田「…嘘でしょ。しんどいなんて」
雅紀「……確信してないし、千鶴おねぇちゃんを、あまり不安にさせたくないから。…ところで、総司。」
沖田「うん。一瞬だけ庭から気配を感じた。この時間は、平隊士も夕餉だよね?」
やっぱり、総司も不審に思っている。
雅紀「確か、あそこの、井戸の近くだった…はず。」