第4章 西谷 夕
西谷said
目覚ましが鳴る。俺は手を伸ばしスイッチを止めた。よし、今日もいい天気だ。俺はベットから出てジャージに着替えた。現在1ヶ月の部活禁止中の身である俺は自主練にいそしんでいた。とりあえず今日もロードワークから始めるか。
自宅から5分の大きな湖がある公園のなかを走っていく。1週間も走っていれば犬の散歩をする人、ウォーキングをする夫婦など、いつの間にか皆顔見知りになっていた
西「おはようございます!」
夫婦「おはよう、今日もいい天気ね」
身体もだんだんと温まってきた頃、2,3日前から気になっている中学生ぐらいの女の子を見つけた。くりくりとした大きな瞳、髪の毛を一つにまとめ、今どきのおしゃれなブランドのウェアに身を包みウォーキングをしている。俺が挨拶をしてもぺこりとお辞儀をするだけで、一度も声を聞いたことがない。
西(かなり可愛い子なんだけど、声も可愛いのかな)
なんて思いながら側を走り抜ける
湖を周回し、もう一度彼女の背中を捉えた。が、何か様子がおかしい。ヨロヨロとおぼつかない足取りで俺が急いで駆け寄った時、彼女はその場にうずくまっていた。