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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第12章 【縁下力】それでもやっぱり


「待っていてとはどういうことですかコラ、まさかお前ら付き合ってるって訳じゃないよな、あ"あ"??毎日リア充ライフ送ってるんじゃないよな?!」


縁下の肩を鷲掴みガクガクと勢い良く揺らす田中。その様子を見て急いで飛んで行こうとしたら縁下が発した言葉に驚愕した


「俺、と付き合ってなんて無いからな!!」


耳に入った言葉を疑い固まる
嘘、付キ合ッテナイ?
縁下君なら付き合ってるって言ってくれると思ったのに……。
所詮その程度だったんだ、私って

彼がついたのは嘘だと分かっていとも
それが本当に嘘なのかは信じられない。
胸の真ん中あたりが急に締め付けられ張り裂けそうで痛い。とてつもなく痛いんだ


私は、彼に背を向け走りだした。
胸の苦しみをために。
はっとして、縁下は彼女の名前を叫んだが彼女には届かなかった。



それから数分後は昇降口の前で一人呆然と立ち尽くしていた。彼女は日の沈んだ空を眺めはぁ、と一つ溜息を零した。


勢いで飛び出してきてしまった。折角一緒に帰れると思っていたのに、あんな言葉を聞くことになるなんて。四隅に浮かぶまだ新しい記憶、あの情景を思い出すだけで目尻が暑くなった。あぁ、情けない。私から「付き合ってる」って言ってしまえばよかったのに。
言ったって別に何もないんだし。今更後悔したって遅いけど。


闇夜で黒く染まった地面を見つめ只々自分に言い訳をした。そのうち考えていることが馬鹿らしくなったは近くに転がっていた小石を勢い良く蹴り飛ばし、よし!っと心の中でつぶやいて家へと向かい歩き始めた、赤く腫れた目をこすりながら。


しばらく歩き校門に差し掛かった時、ふと自分を呼ぶ声が聞こえたような気がして足を止める。空耳?気になり耳を澄ますと小さな足音が聞こえてきた。それはだんだん大きくなりやがて私の隣で止まった。



「なに、縁下くん」
「あの、さっきは…___ 」
「別に謝らなくていいよ!」

の掠れた声が縁下の言葉を遮った。その様子に少し驚いた彼。冷たい空気が漂う仲、彼女は重たい口を開く。
聞こえてきたのは小さく震えた声だった。

「あやまらなくていいんだよ、悪いのは
全部 "私" だから…」

「え...?」







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